スマホ一つで誰もが動画を撮ってSNSに投稿できる今の時代。
日常のあちこちで耳にする「音楽」や「テレビの音」について、ふと気になること、ないでしょうか。
「自分のお店でお気に入りのCDを流しちゃダメ?」
「カフェで動画を撮ったら、後ろのBGMが入っちゃったけど大丈夫?」
今回は、法律の難しい理屈はいったん置いておいて、私たちが普段からなんとなく持っている「普通のバランス感覚」をベースに、身近な音楽のルールをすっきり整理してみました。
お店でCDを流すのはダメで、テレビがいい理由
「お店で買ったCDを流すのはNGなのに、テレビやラジオをそのまま流すのはおとがめなしなのはなぜ?」
これ、不思議に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、私たちの感覚として「そりゃそうだよね」という境界線がちゃんとあります。
要するに「テレビでお金を取るかどうか」
街の定食屋さんや居酒屋のテレビって、注文した料理を待つ間に、なんとなくみんなでニュースやバラエティ番組を眺めています。
あれは、お店側が「テレビを映すことで、お客さんから特別にお金(入場料や観覧料)を取っているわけではない」からセーフなのです。
これがもし、「今日のサッカー日本代表戦を大画面で放映します!入場料1,000円!」となったらどうでしょう。
「それはさすがに、他人の作った番組で商売しちゃダメでしょ」と、感覚的におかしいなと分かりますよね。要はそういうことです。
CDは「お店の雰囲気」を作っているから
一方で、お店で流すBGM(CDや音楽配信)は、お店の人が「このカフェの雰囲気に合うから、この曲を流そう」と、意図的にお店のサービスの一部として使っています。
電波に乗って勝手に流れてくるテレビとは違って、「音楽を狙って再生してお店の魅力(価値)を上げている」からこそ、こちらは音楽を作った人たちに少し還元しましょうね、という仕組みになっています。
上演権・演奏権(著作権22条)
SNS動画の背景に「お店のBGM」が映り込んだら?
最近よくあるのが、「おしゃれなカフェで動画を撮影したら、お店で流れていた流行りの曲が後ろにバッチリ入ってしまった」というケースです。
これも、私たちの「大目に見てもいいよね」という感覚がそのままルールになっています。
- セーフになりやすいケース
メインの目的が友達との会話や料理の撮影であり、BGMはあくまで「たまたま小さく後ろで鳴っていただけ」である場合。 - アウトになりやすいケース
その音楽をしっかり聴かせる目的で動画を編集していたり、音楽メインの動画になっていたりする場合。
意図せず少し入ってしまった程度であれば、今のルールでは「写り込み」として認められているので、過度に恐れる必要はありません。
上演権・演奏権/公衆送信権-著作権22条、23条(経済的な利益を保護するための権利)
トラブルを防ぐ!これからの音楽との付き合い方
では、お店の運営や個人での動画配信で、余計な心配をせずに音楽を楽しむにはどうすれば良いのでしょうか?
一番シンプルで安心な方法は、「著作権フリーの音楽(ロイヤリティフリー素材)」を利用することです。
最近では、店舗向けに手続きがすべて込みになっている定額制のBGM配信サービスや、動画編集用に無料で使えるハイクオリティな音楽素材サイトがたくさん存在します。
これらを上手に活用すれば、心配することなく、安心して心地よい空間や魅力的な動画を作ることができます。
私たちが普段からなんとなく感じている「これくらいなら普通、セーフだよね」「これはやりすぎでしょ」というバランス感覚。
実は、著作権のルールもその感覚とほとんど同じです。正しい知識を身につけて、SNS時代をスマートに楽しんでいきましょう。
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この記事の監修者 行政書士 髙橋 一夫
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2026-10-29

