この春、入管庁(出入国在留管理庁)が打ち出した「不法滞在者ゼロプラン〜強力推進パッケージ〜」というニュースが各所で話題になっていました。日々、外国人の皆さんの在留資格手続きやビザ申請に携わっている者としては、いまの時代の変化を感じるところです。
今日は実務の難しい法律のことはちょっと脇に置いて、一人の社会人の「ひとりごと」として、これからの人と社会のあり方について書いてみようと思います。
ニュースで話題の「3回不許可」が持つ本当の意味
今回の新ゼロプランや、近年の入管法改正の動きの中で特に注目されているのが、「難民申請などが3回不許可(却下)になると、原則として送還の手続きが進められる」という厳格化のルールです。
これだけを聞くと、「外国人に厳しくなるのか?」と不安に思う方もいるかもしれません。また、ニュースやSNSでは、埼玉県川口市周辺などで暮らすトルコ国籍のクルド人の皆さんをめぐる報道や、地域社会との摩擦、強制送還の話題が取り上げられ、議論が二分三分しています。
しかし、よくよく考えてみると、このルールの本質は「取り締まること」そのものが目的ではないと感じています。
本当に目指しているのは、虚偽の申請や不正な手段を繰り返す一部の動きを抑えることで、ルールを守って真面目に日本で暮らそうと努力している大半の外国人の皆さんを、しっかりと守ることなのだと思います。
制度の狭間で生まれる「不安定さ」をなくすために
手続きの現場にいると、本当に日本が好きで、一生懸命に働いたり学んだりしている外国人の皆さんにたくさんおります。
一方で、在留資格を失った「仮放免」の状態で長年日本にとどまり、住民票や健康保険、就労資格もないまま、社会の狭間で暮らさざるを得ない厳しい現実があるのも事実のようです。
こうした不安定な状態が長く続くことは、日本で暮らす外国人の皆さんにとっても、受け入れる地域社会にとっても、決して幸せなことではないと思います。
国が「正しいルール」へのハードルを明確に設けるのであれば、私たち行政書士のような専門家が「正しい道筋」を優しく、わかりやすく案内する役割が、これまで以上に大切になってくると感じます。
いきぬきに、ちょっと…
入管の審査がもっとスムーズになったら、あのお客さんもヤキモキせずに笑顔になれるのに。オンライン申請のシステムがもっと便利になれば。なんて、書類を前にして未来のスマートな事務所を想像するこのごろ。
一見すると冷たく見えがちな厳格化という言葉。でも、その先にあるのは誰もが疑われることなく、安心して、どうどうと暮らせる優しい社会のはずです。
これからも、日本に来る人と、それを受け入れる社会が笑顔でつながるような、目の前の一件に心を込めて向き合っていきたいと思います。
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この記事の監修者 行政書士 髙橋 一夫
2026-7-30
