日本政府が導入を進めている「入国前結核スクリーニング(JPETS)」。結核の罹患率が高い国からの渡航者を対象に、日本への入国前に結核の検査を義務付ける制度です。
インドネシアからの人材受け入れを行っている、あるいは今後予定している企業や監理団体・登録支援機関にとって、技能実習(育成就労)や特定技能が対象になるのかどうかは非常に重要なポイントです。
1. 技能実習と特定技能で対応が分かれる理由
結論から言うと、同じ「日本で働く資格」であっても、在留資格(ビザ)の仕組みや手続きによって扱いが異なります。
| 在留資格 | 結核スクリーニング(JPETS)の扱い | 理由・背景 |
|---|---|---|
| 技能実習 / 育成就労 | 【対象】原則義務化 | 新たに中長期在留者として来日するため、スクリーニングの対象となります。 |
| 特定技能 | 【対象外】当面の間、免除 | 特定技能の申請手続きには、すでに規定の厳しい健康診断(結核検査含む)が組み込まれているため、二重の負担を避ける目的で免除されています。 |
※その他、留学生や「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などの就労ビザで新規入国する人も原則対象となります。
2. インドネシアのスケジュールと現在の状況
入国前結核スクリーニング(JPETS)は、準備が整った国から順次導入されています。
インドネシアに関しては、日本政府より「現地医療機関の選定など、体制が整い次第開始する」とされており、具体的な運用開始日に向けた準備が進められている段階です。
【実務上の注意】基準になるのは「申請日」
今後、インドネシアでの義務化スケジュールが正式発表された際、重要になるのが「来日日」ではなく「在留資格認定証明書(COE)の申請日」や「査証(ビザ)申請日」が基準になるという点です。
過去に先行導入された国(フィリピンなど)の例では、猶予期間が設けられ、指定されたXデー以降に申請する人が対象となりました。インドネシアの発表があった際も、まずは「いつの申請分から必要なのか」を真っ先に確認する必要があります。
3. 対象国はインドネシアだけ?(他国の状況)
入国前結核スクリーニングはインドネシアだけが対象ではありません。日本政府は、結核の罹患率が高い国として計6か国を対象国に指定しています。
- フィリピン(導入済み)
- ベトナム(導入済み)
- ネパール(導入済み)
- インドネシア(導入準備中)
※2026年11月2日より現地指定医療機関での受診がスタートし、2027年1月4日以降の在留資格認定証明書(COE)申請分から完全に義務化されます。 - ミャンマー(導入準備中)
- 中国(導入準備中)
先行してフィリピンなどで運用が始まっており、インドネシアやミャンマー、中国がそれに続く形となっています。
4. 受け入れ企業や監理団体が今からできる対策
インドネシアでの具体的な開始時期は未定ですが、急な発表があっても慌てないよう、以下の心構えをしておくと安心です。
① スケジュールに余裕を持った採用計画
義務化が始まると、現地の指定医療機関で胸部レントゲン等の受診を済ませ、「結核非発病証明書」を発行してもらうプロセスが増えます。これまでよりも「内定からCOE申請までの期間」に日数がかかることを想定し、前倒しでのスケジュール管理が必要になります。
② 厚生労働省・出入国在留管理庁のサイトを定期チェック
一般のクリニックで「結核は陰性」と診断されても、JPETSの証明書としては無効になります。必ず「日本政府が指定した現地の医療機関」を利用する必要があるため、公式発表があった際は指定医療機関のリストを必ず確認しましょう。
まとめ
インドネシアでの入国前結核スクリーニング(JPETS)が本格始動した場合、「技能実習(育成就労)は対象」「特定技能は当面免除」という運用が基本となります。
今後、厚生労働省や出入国在留管理庁から具体的な日程がアナウンスされますので、現地送り出し機関とも情報を共有しながら、最新の動向を注視していきましょう。
※厚生労働省の「入国前結核スクリーニング(JPETS)」に関する最新の公式発表に基づいています。
本記事の情報は2026年9月現在の制度概要に基づいています。最新の動向は必ず各省庁の発表をご確認ください。
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この記事の監修者 行政書士 髙橋 一夫
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2026-9-27

